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変化のない水(静的な水量)
水を扱う場合、二通りの表し方を使いこなす必要があります。
はじめは止まった水・変化のない水です(一部は小4の復習です)。
基本知識
公式
増えたり減ったりしない「止まった」水の量は「四角柱」の体積の求め方と同じです。
ただ言葉を少し変えて…四角柱の体積は「底面積×高さ」でしたが水の量では「底面積×深さ」にします。
「底面積」「深さ」と合わせて「水量の公式A」とします(この後Bが登場します)。
水量=底面積×深さ
深さ=水量÷底面積
底面積=水量÷深さ
水の量の単位
水そうの問題では水量を表すのに「L(リットル)」を使うことがあるので、「cm3」と「L」の関係を思い出しておく。
1L=1000cm3
(例)12L=12000cm3
1dL=100cm3
(例)6dL=600cm3
確認テストをどうぞ
底面40cm×60cmの水そうに30cmの深さまで水を入れると何Lか
→( 水量=底面積×高さ=40×60×30=72000cm3=72L )
一辺30cmの立方体に18Lの水を入れたときの深さ
→( 底面積30×30=900、水量=18L=18000cm3なので、深さ=18000÷900=20cm )
横の長さが15cmで、7.2Lの水を入れると深さが40cmになる水そうのたての長さ→( 7.2L=7200cm3、底面積=7200÷40=180cm2、たて=180÷15=12cm )
止まった水の応用問題
●移し替え…容器に入った水の全部または一部を別の容器に移す問題
●物を水そうに沈める…全水没と一部が水の上に出ている場合がある。
●複雑な形の水そう…L字型などの容器に入った水の高さを求める
●水そうの横倒し…水が入った容器を倒したときの水の新たな深さを求める
詳しい説明を読みたい・問題を解きたい人は関連記事「容積」を見て下さい。
変化する水(動的な水量)
増えたり減ったりする水の場合、公式A以外の表し方が使えることがあります。
基本公式
大きな水そうに一定のペース水を入れていく(注水)場合、上で見た公式Aで使う底面積や水の深さがわからなくても、水を入れた時間が分かれば水の量も分かります。
例えば、1分間に3Lのペースで5分間水を入れた場合、水の量は3×5=15L だと分かります。
「水量=注水ペース×時間」という公式ができました。
「注水ペース」「時間」と合わせて水量の公式Bとします。
水量=注水ペース×時間
注水ペース=水量÷時間
時間=水量÷注水ペース
確認テストをどうぞ
水そうに毎分 Lの割合で水を12分間入れた。水そうにある水の量は?
水そうに Lの水を入れるのに 分かかった。注水ペースは?
容積が Lの水そうに L/分のペースで注水すると水そうをいっぱいにするのに何分かかるか
グラフの利用
公式Bのグラフ
横に時間、縦に水量を記します。例えば下のグラフの場合
160Lを20分で入れているので、注水ペースは160÷8=20L/分と分かります。
グラフを読み取る問題
注水→排水
注水→注水+注水
注水→注水+排水
面積図の利用
増えたり減ったりは表現できない(難しい)
公式Bと面積図
たてが注水ペース、横が時間、面積が水量になります。下のような面積図は
L/分のペースで 分注水して全部で Lの水が入ったことを意味します。
面積図を利用する問題
つるかめ算が解けるようになっておくと良いですね。
公式ABの使い分け
二通りの水量表現
水に関しては2つの公式AとBが使えます。
水量=底面積×深さ
深さ=水量÷底面積
底面積=水量÷深さ
水量=注水ペース×時間
注水ペース=水量÷時間
時間=水量÷注水ペース
公式ABのそれぞれの一番上で「水量」を「=底面積×深さ」「=注水ペース×時間」と2通りに表しているのが分かります。Aは図形的な表現でBは仕事算的な表現です。
水量=底面積×深さ=注水ペース×時間
これを使い分けることで、複雑な問題を解くことが出来ます。
公式AB使い分け
A→B
求めたい部分のたて・よこ・高さが分かっている場合は、公式Aで水量を出し、公式Bの逆算で注水ペースや時間を求めます。
B→A
寸法が一部わからない場合は、問題文やグラフから注水ペースと時間を読み取って公式Bで水量を出し公式Aの逆算で底面積(たて・よこ)や高さを出します。
グラフの利用
公式A&Bのグラフ
横に時間、縦に水の深さを記したグラフ。こちらがよく出題されます。例えば下のようになります。
グラフを利用する問題
段付き水そうの問題
水そうの中が階段のようになっている「段付き水そう」
こんな感じ
考え方
水を入れていくと、段の高さで底面積が変わります。
底面積が変わる、段の上と下で水を分けます(ここでは色をつけています。)
正面からみるとこんな感じです。
この区別で問題を考えると分かりやすくなります。
グラフ
グラフの傾きも、この区別で考えます
仕切り付き水そうの問題
仕切りが付いた水そう
考え方
段付き水そうと同じように、水を分けます。
グラフ
次のステップへ
この記事の水そうの問題ができるようになった人は「比」を学習して「比を利用した水そうの問題」に進みましょう。実は計算は簡単になります♪
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