中学受験生で「物を水中に沈める問題(水没)が難しい!という方へ。
確かに水没問題は物を沈める「前」と「後」の2つの状態を考えねばならず、「比」を使って解くことも多いので、図形分野の中でも難しい問題です。
ただ、問題を解くのに使う考え方(公式)はそれほど多くないのです。
水没には「全水没」と「半水没」の2つがあります。
「全水没」は受験小4で学習したので、後は「半水没」の公式を覚えてしまえば標準問題は公式だけで解けます。
そして「半水没」の公式はたった2つしかないのです。公式2つなら頑張って覚えようという気になりませんか?(なりましたよね!w)
この記事では東大卒講師歴20年超の図解講師「そうちゃ」が水没問題の解き方を分かりやすく説明します
説明を順に読んで例題を解けば、水没問題が得意になるかも?!
目次(クリックでジャンプ)
モノを沈める
◆全水没(モノが水面から出ていない場合)
◆半水没(モノが水面から出ている場合)
(公式A)
水そうの底×もとの深さ=(水そうの底-物の底)×あとの深さ
(公式B)
物の底×もとの深さ=(水そうの底-物の底)×増えた深さ
水そうにモノを沈める問題で、難しい問題が多いです。
まず2つの場合に分けます。
2つに場合分け
全部水没する場合=全水没
物体が水の中に完全に隠れる場合で、簡単な問題が多いです。
一部水没する場合=半水没
物体の一部が水面より上に出ている場合で、難しい問題もあります。
どちらか分からない場合
分からない場合は「半水没」のつもりで計算し、水の深さが物体の高さを越えたら、全水没として計算し直します(汗)
全水没の問題
例題
もとの深さよりも増えた部分は、沈めたものの体積と等しくなります(斜線の部分)
公式化
「物の体積=水そうの底面積×増えた深さ」
計算の工夫
3つの数字のかけ算は計算せずに、かけ算の形のままにしておいて、?を使った逆算を作り、最後に分数にして約分します。
確認テスト
半水没の問題
半水没は考え方にはAとBの2つがあります。「比」を使う前は「A」しか使えないことが多い。「比」を習った後は「B」を使うのが簡単な事が多い。
考え方A
例題
こちらの考え方を使う
水の体積(斜線)が変わらないことを利用します。
公式A
水そうの底面積×もとの深さ=(水そうの底面積-物の底面積)×あとの深さ
水そうの底面積が分かっている場合は、こちらの公式が良い
確認テスト
考え方B
場合は、こちらの考え方で。
斜線部分の体積が等しいことを利用する。
公式B
物の底面積×もとの深さ=(水そうの底面積-物の底面積)×増えた深さ
物の底面積が分かっている場合は、こちらの方が良い
確認テスト
状態変化の問題
半水没→全水没
水面の上に出ている部分を切り取って、水そうに沈めるイメージで解きます。
(図)
「全水没」の考え方で「ふえた深さ」を出す。
はじめに水面より上に出ていた部分の体積=(水そうの底面積-物の底面積)×増えた深さ
確認テスト
全水没→半水没
水を全部取り出してから物を立てて、そこに水を流し込むイメージで解きます。
(図)
水の体積を出しておいて、「半水没の公式A」の考え方を使って「あとの深さ」を出す。
水の体積=(水そうの底面積-物の底面積)×あとの深さ
確認テスト
比を使う水没問題
5年で比を習った後は、比を使うと計算が簡単になります
全水没
半水没
状態変化
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