「点が動く問題が苦手!」という中学受験生の方、
東大卒講師歴20年の図解講師「そうちゃ」が、点が動く問題の解き方・コツを伝えます。
記事の真似をすれば動点の問題が苦手ではなくなるでしょう。
目次(クリックでジャンプ)
動点問題とコツ
動点問題のコツは、点がどのように動くかをイメージすることです!
速さと旅人算(復習)
動点の問題は速さの公式を使うので簡単に復習します。
速さの三公式
「道のり」「速さ」「時間」の関係
➀:道のり=速さ×時間
➁:速さ=道のり÷時間
➂:時間=道のり÷速さ
旅人算の公式
2つ以上の人・物が移動する場合
出会いと追いつき
❶出会う時間=2人の距離÷速さの和
②2人の距離=速さの和×出会う時間
③速さの和=2人の距離÷出会う時間
❶出会う時間=2人の距離÷速さの差
②2人の距離=速さの差×出会う時間
③速さの差=2人の距離÷出会う時間
円周上の旅人算

反対方向に出発すると「出会い」(右)
◆最初に追いつく時間(T)=一周÷速さの差
二回目以降に追いつく時間も同じ
→T×1,T×2,T×3(時間)…に追いつきを繰り返す
◆最初に追いつく距離(D)=T×速さ
ニ回目に追いつくまでの距離も同じ
→スタート地点からD×1,D×2,D×3の距離で
追い付きが繰り返される
◆最初に出会う時間(T)=一周÷速さの和
次に出会うまでの時間も同じ
→T×1,T×2,T×3(時間)…に出会いを繰り返す
◆最初に出会う距離(D)=T×速さ
次に出会うまでの距離も同じ
→スタート地点からD×1,D×2,D×3…
の地点で出会う
以上がよく分からない人は関連記事「速さの基本」や「旅人算まとめ」を見たほうが良いかもしれません。
動きをイメージ♪
動点問題のコツは、問題を読んだ後ですぐ小問に行かず、頂点に着く時間を計算して書き込むことです。
例えば、縦6cm横8cmの長方形ABCDの辺上をAから出発してB→C→D→Aと2cm/秒の速さで一周する点Pがある場合を考えます
まずタテヨコの辺を移動するのにかかる時間を計算します。AからBまで6÷2=3秒がタテの移動時間、BからCまで8÷2=4秒がヨコの移動時間です。
それを使って、Bに着くのが3秒後、Cに着くのが3+4=7秒後、Dに着くのは7+3=10秒後、Aに戻るのは10+4=14秒と分かるので、それを書き込みます。
こうしておけば、例えば問題に「12秒後の…」と書いてあれば「点Pが辺AD上にある時で、もうすぐ一周するな」とすぐにイメージできますね。
このように通過時間を書き込むことで、状況をすぐにイメージできるのです。
確認テスト
A=B=C=cmである三角形ABC上を3cm/秒の速さでA→B→Cと移動する点Pがある。点Pが各頂点に着く時刻を書き込め。
多角形上の動点
三角形や四角形の辺の上を点が動く問題です。
1動点が作る面積の問題
多角形の周上を動く点と多角形の頂点で作られる三角形の面積の変化を出す問題で、動点問題で一番多く出題されます。
長方形を周回
上で出したのと同じく、縦6cm横8cmの長方形ABCDの辺上をAからB→C→Dと2cm/秒で動く点Pが作る三角形ADPの面積の変化を考えます
(1)Pが出発してから2秒後の三角形ABPの面積は?
(2) 〃 4秒後の 〃 ?
(3) 〃 6秒後の 〃 ?
(4) 〃 8秒後の 〃 ?
(5)三角形ABPの面積はどのように変化するかグラフにしなさい
(6)三角形ABPの面積が20平方cmになるのは何秒後か?
準備(時刻を書く)
まず、点Pが各頂点に着く時間を書き込みます。
これで(1)2秒後はPはAB上にいて、(2)6秒後と(3)8秒後はBC上、(4)8秒後はCD上とイメージできます。
問われた時刻の図を書いて解く
(1)2秒後にPは2×2=4cm進んでいます。
面積は16cm2になります。
(2)4秒後にPは2×4=8cm進んでいます。
面積は24cm2になります。
(3)6秒後にPは2×6=12cm進んでいます。
面積は24で4秒後と同じです。
つまりBC上を移動する間はADPの面積は変わらないのが分かります。
(4)6秒後にPは2×8=16cm進んでいます。
16cm進んだPの位置はCを2cm過ぎたところなので、三角形ADPの高さは4cmになるので、面積は8×4÷2=16になります。

グラフにする
(5)
Pが各頂点に着く時間を基準に3つの時期に分けて考えます。
●Pが辺AB上にある場合(0秒~3秒)
底辺AD8cmは変わらず、高さAPが大きくなるので、三角形ADPの面積はどんどん大きくなります。
0秒後の面積を求めると0cm2、3秒後の面積を求めると8×6÷2=24cm2 になります。
つまり0秒から3秒にかけて、面積は0cm2から24cm2に増加します。
●Pが辺BC上に~(3秒~7秒)
底辺AD8cmは変わらず、高さ6cmも変わらないので、三角形の形は変わりますが面積は8×6÷2=24cm2のまま変わりません。
つまり3秒から7秒にかけて、面積は24cm2のまま変わりません。
●Pが辺CD上に~(7秒~10秒)
底辺8cmは変わらず、高さが小さくなるので、三角形の面積はどんどん小さくなります。
7秒後の面積を求めると24cm2、10秒後の面積を求めると8×0÷2=0cm2になります。
つまり7秒から10秒にかけて、面積は24cm2から0へと小さくなります。。
以上の面積の変化をグラフにするとこうなります。
グラフが折れ曲がるポイントに
なっているのが分かる
動点が各頂点に着く時刻の三角形の面積がポイントなので、これも書きこんでしまうとよいでしょう。
三角形ADPの面積を書き込む
面積から時刻を求める
(5)
今までとは逆に面積を指定された場合です。
さっき書きこんだ面積の数値[0][24][24][0]を見れば、20cm2になるのはAB上にある場合(Bの少し手前)とCD上にある場合(Cを少し過ぎたあたり)の2回あるのがイメージできます。
その2つの三角形とその中に面積20も書き込むと、底辺は8cmなので高さは8×□÷2=20cm2を逆算して5cmと分かるのでそれも書き込みます
この状態になる二つの時刻を求めれば答えになります。この時はスタートのAから何cm移動した状態かを考えます。
はじめの状態はAから5cm進んでいるので5÷2=2.5秒後です。
二番目の状態はDから5cmなので、AからDまでの距離6+8+6=20cmから5cmを引いて、Aから15cm進んでいると分かります(この出し方は好きな方法で構いません)
よって二番目の状態は15÷2=7.5秒後と分かります。
確認テスト
三角形周上の動点
例えば、A= B= C= cmである三角形ABC上を2cm/秒の速さでA→B→Cと移動する点Pが作る三角形APBの面積を考えます。
台形周上の動点
台形の高さ辺を往復する点
二つの動点の旅人算
動点が二つある場合、旅人算の出会い・追い付きと同様に考えます。
出会い
追い付き
二動点を結ぶ線の問題
二つの動点を結んだ線を考える問題です。
多角形上の動点問題は以上です。
円周上の動点
角速度
円周上を動く場合は、点が動いた「距離」ではなく「角度」に注目する。
((図))
速さも~cm/秒ではなく~°/秒で表す。
これを「角速度」と言う。
時計を連想すれば分かりやすい。
確認テスト(一動点の問題)
二動点の問題
二つの点が円周を動く場合は、角速度で旅人算を行います(時計算(追い付きのみ)を思い出すと良いでしょう)
多動点の動き

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